構造解析用の強度データ処理方法概略
(プログラム名末尾の2桁の数字および実行時に表示されるVersion値に注意し、最新版を使うこと)
0.基本的なこと "Analysis of Crystal structure in Personal Computer"について述べている。 初心者はこれを参考に、基本データファイル、原子座標データファイルを用意すること。 反射データファイルは次の1〜2のプロセスで作成されよう。 1.RDRDF AFC5R.DATを読み込み、 標準反射による強度の補正 ISO=1/3の出力選択 球吸収補正 など を行い、h,k,l,Fobs,sigF を、ファイルに出力する Mercury CCDのf2.dat (h k l F2 sigF2が自由形式で書かれている。F2とはIntensityそのもの)を読み込む場合は、 次のようにファイルの先頭に2行を追加しておく。このうち、1行目のMercury,は必ず、 この通りとすること。他はコメントなので、2行あることが必須。 Mercury, 2009-11-20, DKDP, 298 K h, k, l, I=F^2, sigI また、ファイル末尾には 0 0 0 0.0 0.0 と、データ終了行を追加すること。 その他、Huber-mxcのデータや、FONDER中性子データの読み込みもできる。但し、 FONDERデータにあっては、前処理として、次の4ステップを実行しておくこと。 1)マックPCでpCheck_X13を実行して、バックグランドと標準偏差を決定。 2)DABEXN.exeで吸収補正と次の消衰補正の準備を実行 3)RADIELN.exeで消衰補正を実行 4)radsig.exeを使って、h k l Fobs Fcalc sigFのファイルを作成 2.CNVRD RDRDFで書き出したファイルを読み込んで、 消滅則のチェック 等価な指数の強度の平均化 指数の並び替え 吸収補正 などを実行し、ファイルに書き出す 3.BDLS 上記の書き出したファイルを読み込んで、ブロック対角近似で構造パラメータの精緻化をはかる。 但し、正方晶系・立方晶系では、対角近似の計算を選択すること。 このプログラムの実行に際しては、反射データファイルの他に、 基本データファイル 原子座標ファイル を予め用意すること。2つのファイルは基本+反射+原子の順に、1つのファイルにしてもよい。 2010-6-6 FILOUT10と同様に、原子座標をcif形式でbdlslog.txtに書き出す。(5.の注意に同じ) 4.SYFR 最小二乗法BDLSの結果を受け、差のフーリエ合成などを行ったり、MEM実行のためのファイルを作成する フーリエ合成した結果は、表計算ソフト(excel)や等高線作図ソフト(graphR)で表示すればよい。 2010-5-15 フーリエ合成結果を、泉富士夫氏が開発したVESTAで表示するため、VESRA.3ed形式で書き出す機能が付加された
2011-2-16 syfr11 負の原子密度も出力できるように拡張 5.FILOUT 最小二乗法の結果から、論文用のテーブルを作成する。結合距離・角度も計算。 2010-5-21 結晶構造の記載に広く用いられるようになった cif 形式に出力するルーティンが付加された。 但し、VESTAによる表示に必要最低限の情報である、格子定数、原子座標に限る。 空間群はP1としているので、VESTAでインポートして必要な追加修正を編集すること。 6.RSMV 最小二乗法の結果から、熱振動解析を行う。 7.FHKL 構造因子の計算および2θの範囲の反射数を計算する。